「ピロリ菌に感染について」
ピロリ菌は正式にはヘリコバクターピロリという細菌で胃の中に生息しています。多くの研究によりピロリ菌が慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃癌などの原因になることがわかっています。
ピロリ菌は乳幼児期に口から感染することが多く、成人になってからの感染はまれと言われています。日本でピロリ菌に感染している人は少なくとも3000万人以上と言われ、特に50歳以上の人で感染している割合が高いとされています。
ピロリ菌はわずか1週間の除菌療法のみで除菌可能です。除菌することにより胃癌の発生・再発が半数〜3分の1に減少するなど病気を予防することがわかっているためピロリ菌に感染している方は除菌をお勧めしています。
2013年2月から内視鏡検査で「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」と診断された方は保険を使ってピロリ菌の検査・治療を受けることができるようになりました。
ピロリ菌検査は杉病院では血液抗体検査・尿素呼気試験を行うことができます。内服薬の内容などに合わせて適切な検査を行い、陽性の場合は除菌を行います。
ピロリ菌の一次除菌は胃酸を抑える胃薬と2種類の抗生物質を用いて1日2回(朝・夕)、7日間服用します。内服終了後4週間以上あけて除菌の判定を行い、約70〜90%の方は除菌に成功します。一次除菌に失敗した場合は二次除菌を行います。一次除菌から抗生物質の種類を変更して胃酸を抑える胃薬と2種類の抗生物質を用いて1日2回(朝・夕)、7日間服用します。二次除菌では約80〜90%の方は除菌に成功します。
杉病院におきましても内視鏡検査やピロリ菌検査・治療を行なっていますので気になる方は受診していただければと思います。
2025年10月15日