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2009.4.1 |
杉循環器科内科病院 中長期計画 |
☆杉循環器科内科病院を取り巻く医療環境
本院は、昭和62年12月の開設以来、大牟田・有明医療圏の病院として地域医療に貢献してきたところであるが、建物の老朽化が著しく、診療の効率性や患者・職員のアメニティーにおいて種々の支障を生じ、建物・設備の改築整備が望まれていた。
一方、医療提供体制の機能分化を主要な柱とした医療制度の抜本的改革が進行してきたため、当院もこの医療改革に対応すべく、平成17年10月に、老朽化した病院施設の改築工事開始、平成18年1月 3階病棟に4床部屋を新設、リハビリの重要性考慮しリハビリ室の拡張とした。
また、平成17年8月に透析システム、平成18年2月にはオーダーリングシステム(第1期)、平成19年2月画像・検査オーダーリングシステム連携(第2期)、心電図サーバーシステムが導入され、医療機器においては、平成20年7月に血管造影装置を更新、64列マルチスライスCTが配備された。
専門医師の充実、久留米大学病院心臓血管内科から専門医を増員していただき循環器医師10名体制とした。
これらの新しい診療体制が組織的に機能することにより、厳しい医療環境下にあっても患者数は増加し、医業収益の伸びも順調に推移して、平成18年、19年、20年は黒字決算となり、中長期計画の一応の目的は達成できた。
わが国は大変厳しい経済状況が背景にあり、国民医療費抑制策もより鮮明となってきた。当院も、クリティカルパスの導入することにより在院日数の短縮に努めてきた。このことにより平成19年8月看護体制13対1を取得、平成20年7月には、看護体制10対1を取得することとなった。
☆日本医療機能評価機構による病院機能評価認定の更新
当院のような地域医療に取り組む病院に求められるものは、科学的根拠に基づき適切な情報開示のもとに行われる医療(EBM)である。このような医療を提供できる病院組織にするためには、院内全職域の職員がそれぞれの専門職としての業務を今一度自己評価することも重要であるが、こうした努力をさらに効果的なものとするためには、第三者による客観的な評価と改善指導を導入する必要がある。
このような病院組織の機能評価を行うシステムとして日本医療機能評価機構による病院機能評価制度があるが、当院は平成14年秋にVer.4.0を受審し平成15年9月16日に認定されたところである。
認定期間の5年が平成21年9月で満期となるため、平成21年夏のVer.6.0の機能評価受審を目指して準備をしているところであるが、受審準備を進める中での院内業務の見直し、評価、改善などの作業こそが重要であり、院内全職域横断的に全員参加して準備を進めている。
☆中・長期運営方針
この計画の目標年次は、長期にあっては5年以内とし、中期にあっては3年以内とする。現在の医療を取り巻く状況は医療崩壊と称されるように極めて不安定な環境にあり、厚労省が提示する医療制度や診療報酬体系も長期安定的なものではない。したがって、病院の運営方針も、厚労省が提示する制度改革や診療報酬体系を先読みしつつ対応していくことが肝要であり、中期計画を中心として策定しいくこととする。
長期運営方針 (5年以内)
新たな中長期計画を策定するにあたっては、健全な中期計画の実行により収益増図り、融資環境を整えて腎センターの独立、CCU整備及び電子カルテ導入計画を立案し、5年後の着工を目指すことを長期運営方針とする。この計画実行の基礎となる当院の診療体制は、従来通り循環器と透析を柱とした内科系救急医療の実践”であり、福岡県の政策医療や福岡県医師会の地域医療計画とも協同しながら、地域医療の診療体制を構築していく。
中期運営方針 (3年以内)
1. 看護体制7対1取得(1年)
1)看護職員を手厚く配置して看護職員の過重労働を解消し、安全で質の高い医療・看護の提供につながる急性期病院目指す。
・看護師現員数より12名補充・・・現在32名
2. DPC準備病院の参加(3年)
急性期入院医療を実施している当院においても10対1の看護体制が安定したことによりDPC対象病院に参加することは欠かせないことである。
3. 内科系救急病院の充実(3年)
救急入口は、現在正面玄関及び南入り口と、一般患者と同じ入り口となっており独立した救急専用入口が整っていな為、専用入り口の確保が必要である。
一方、血管造影装置においては、同室に透視装置が設置されており、同時爆射防止により機能制限を余儀なくされている。このことにより早期に使用しやすい新設備スペースが必要である。
開設以来、20年間病院側地(私有地)の土地問題も解決した為、新救急棟(仮名)の建設
を行い、救急専用入り口及び血管造影室の確保を図る。
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